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籐家具職人コラム

籐家具職人の店 みうらラタン三代目の 三浦祥太郎です。
身の回りに起こる疑問点、問題、技術的なこと、籐家具と人など様々な視点で情報発信していきます。
籐業界に入ってまだ日が浅いのですがそれ故に見えてくる疑問点や籐と人との関係、技術的なことなど、
様々な視点で情報発信していきます。
時代背景や私自身の考え方など常に変化していきます。その為日々変更、更新をお許しください。

INDEX



第1回 籐(ラタン)を家具、製品の材料家具として使った時の特徴

第2回 籐家具はどうやって作られていくのか?

第3回 「購入した店舗が消えた?」物を買うときの店の選び方

籐家具職人三浦祥太郎

第1回 籐(ラタン)を家具、製品の材料家具として使った時の特徴


「籐(とう)」と聞いて皆さんどんなこと思い浮かべますか?


「竹みたいなもの?」
「藤(ふじ)?日本で取れる??」
「かごで良く使っているもの?」


等々知られているようであまり知られていない植物です。

籐は日本では取れず赤道直下のジャングルで取れます。

イメージしやすい言い方として「竹」と「木」の中間といったところでしょうか?

勿論それぞれ良さがあり様々な用途があるので何が一番とは言い切れませんが、

籐という植物の成り立ちや歴史は別な機会にお伝えするとして、

籐の専門家として籐(ラタン)を家具や製品に使うことにフォーカスして記述していきます。


籐の特徴を短くまとめると

1.軽量

2.通気性がある

3.柔軟性と強度が両立している。

この3点が挙げられます。

勿論、特質すべき点は3点だけではないですが、ここでは分かりやすくするため絞り込んでお伝えしていきます。


1、軽量

籐自体は軽量です。竹と同じく多孔性の植物であるためです。

竹との違いは空洞がなく木と同じくソリッド(中まで埋まっている)であるという点です。

無数の穴があり水に浮き、息を吹きかけると空気が通り抜けます。

籐椅子は軽いのはそのためです。

ダイニングチェア等(最軽量で約2~3Kgほど)は軽いものが多いです。

良質な国産木製椅子などはものにもよりますが10Kg前後なりにます。(もちろんそのぶん丈夫ですが)

同じ籐でもリクライニングチェア等は強度保つため材料がたくさん使われており少々重くなります(約10Kg前後。)

ただマットレスやコイル、木を多用したリクライニングチェアと比べると断然軽いことは容易に想像できます。

狭い日本で人気の回転いすなどは、回転盤自体が金属で1~2Kgあり、少々重くなってしまいます。

籐のベットはデザインによって変わってきますがおおよそシングルサイズで総重量20Kg~25Kgと大変軽量です。

木製ベッドに関してはシングルのヘッドボードだけで一台の籐ベッド並みで20kg以上の物も少なくないです。

マットレス、フットボード、サイドフレーム、木製座面を加えると相当な重さが想像できます。

座面のすのこの隙間が狭い良質なベッドや網代編みベッドは布団を直接敷けるので、

分厚いマットレスが必要なく籐の良さである軽さをキープ出来ます。

マットレスはほとんどの方は長年の間置きっぱなしではないでしょうか?

よく考えるとシーツやカバーなど変えているとはいえ重く動かしにくいマットレスは

「万年床」のようになっているのかもしれませんね。

チェスト類(箪笥)は基本的に木と籐を組み合わせたものなので少々重くなります。

チェストなどは籐をデザインとして楽しむ現代になって登場してきました。

ランドリーバスケットなどはほぼ100%籐で作られており比較的軽く、

さらに以下でも紹介していく通気性も兼ね備えています。

 

2、通気性と湿度調整
籐は通気性があるのが特徴です。

湿度が高いと空気中の水分を吸収し柔らかくなり

乾燥すると固く締まります。気候によって表情が変化します。

籐網代や籐むしろが今でも公衆浴場から一般家庭、和室、廊下敷などに広く使われているのは、

湿気があるときは空気中の水分をとり、

乾燥すると水分を放出するという風に「呼吸」をし室内を快適に保つためです。

通気性とは異なりますがエナメル質なので肌触りがよくべた付かない事も利用者を快適に過ごさせることができるのです。

籐椅子や籐ベッドの編み込み部はもちろん空気を通すので圧迫感がありません。

籐ベッドにしかれる布団は常に「布団が干されている」状態なんです。


近年、20年、30年と使い破れてしまったダイニングチェアの修理依頼が絶えません。

籐から布に張り替えたお客様が、通気性があり圧迫感のない籐に戻してほしいという依頼もままあります。


3.柔軟性と強度

「籐の編み込みは破れる」とイメージされている方も多いとのではないでしょうか?

はい、使い続けていれば籐はいずれは破れます・・・・

しかしながら30年以上愛用されたイスなのに、

クッションは破れても、籐編み部分はしっかりしている、という例もあります。(稀ですけど)


どのようなものでも乱暴に扱えばすぐに痛みますし、丁寧に扱えば長く持ちます。

自然素材ゆえ(自然素材に限りませんが)年月が経てば徐々に劣化してきます。

鉄や硬い木などは長持ちしますが、柔軟性はありません。

籐が古くより人々がより快適に過ごせるよう椅子や家具に使われてきたのは、

他に代替え品がなく籐でしかなしえなかったに他なりません。



古くより熱気球のバスケット(人が乗るゴンドラ部分)には籐が用いられています。

その理由としては着陸時に衝撃が加わるため、「クッション性」と

屋外で過酷な使用条件にも耐えうる「堅牢」であることが要求されるためです。

相反するであろう柔軟性と強度を兼ね備えた自然素材「籐」。

最も安全性が要求される「人が乗る部分」に用いることが出来るという、

先人たちの籐への信頼の証(あかし)は今も世界各地のバルーンフェスティバルで見ることが出来ます。

良質な籐ベッドの座には熱気球のバスケットにも使われている皮つきの丸籐(まるとう)を使用しており、

適度な柔軟性で、腰痛持ちのお客様が「背筋がピンとして気持ちよい」という感想もいただいてます。

科学的な根拠はわかりませんが、適度な柔軟性が心地よい寝心地を得ることがきるのではないかと考えます。

ふわふわのマットレスを嫌う方には籐がおすすめかもしれません。

柔軟性があるということは加工しやすいとうことにもつながってきますが、

籐の加工性や生産性、他の家具との違い、良い点悪い点、新たな新素材等々・・・

また別な章で述べたいと思います。

 

いずれにしてもあらゆるところに籐が使われているということは必然性があってのことでしょう。

籐に限らず自然素材の家具は多種多様にあるかと思います。

適材適所、シチュエーションに応じて良いものを選んでいただければと思います。

みうらラタン3代目 三浦 祥太郎


 

軽量籐ベッド
軽やかな籐ベッド約20キロ~
軽量熱気球バスケット
軽量熱気球バスケットで日本記録も達成。
天然ラタン
自然の中でたくましく育つの籐

第2回 籐家具はどうやって作られていくのか?

 

籐家具は果たしてどのように作られていくのでしょうか?

軽量で、強く、しなやかであるというのは、良質な籐の特徴ですが。

籐家具を作るうえで必要な動作の代表は以下の三つです


・曲げる

・組む

・編む


細かな作業は多種多様ですが、代表的なものはこの三つです。

木製品のように大きな旋盤や設備は必要としませんが、

その分熟練の職人の技に頼られます。

 

【曲げる】
籐家具を製造するうえで特徴の一つである「曲げる」という作業。

バーナーで炙(あぶ)るか、蒸し機で蒸すことで曲げが可能となる。

籐はソリッドで無数の細かい穴がありさらに繊維層であるため、曲げ加工が可能である。

竹もわずかであるが曲げることができるが、空洞のため強く曲げると割れる。

そのため明治~昭和初期などその昔籐が手に入らない時などは、

曲げをあまり必要としない部分に良質な竹を用いていた。

目立たない部分に使うため素人目には竹か籐か見分けがつかない事だろう。

現在(2014年)も明治、大正、昭和を潜り抜けてきた籐の修理をいただくが、

フレームの一部に竹を用いた椅子を多数見かける。

みうらラタン創業者の三浦花市は材料不足で籐が高価で手に入らなかった頃、

竹の節を取り中に砂をつめ中空の中身をソリッド(無垢)の状態にして曲げて、

籐家具の部材として用いていたこともあったという。

 

【組む】

曲げ部分や小曲がりを修正し部品を組み上げる。

組み付け部には釘もしくは木ねじを使い、

その後籐と籐のつなぎ目の部分はさらに強度を保つため巻きを施す、

これによって組んだ籐が更に頑丈なもとに仕上がっていく。

ある医療施設の依頼で釘等金属類一切なしで籐脱衣かごを製作した例もある。

当店職人の熟練のなせる業でもある。

釘なしでも製作可能だが製作難易度は格段に上がり強度も落ちる。

 

【編む】
曲げると並んで籐の特徴である編む作業

材料は多岐にわたり皮籐、丸芯、紅籐などサイズもさまざまある。

機械化できないので、職人の手作業に頼ることになる。

編む以外にも「巻く」、「かがる」、「結ぶ」などの作業が可能。

自在に変形できる割に丈夫なのも特徴。

良質な国産竹カゴやバックなどでも持ち手や縁巻きや編み込み部など

部分的に籐で仕上げているケースが多い。

竹はそういった細かい細工が難しいためである。

籐むしろ・あじろ等の敷物の淵などは1mm程の細い皮籐でかがってある。

まるで糸のように自在に変化し敷物として加工できる自然の無垢素材は籐以外にはない。

 

曲げ、組み、編む・・・様々な籐家具が職人の手によって創り上げられます。

自由度が高く多種多様な表現が可能で、さらに籐ならではの編み込みが美しさを際立たせ、

デザイン性を価値あるものに高めているのです。

そのためプロのデザイナーが好む材料でもあるのです。

このような恵まれた商材に出会えたことに感謝しながらも、

伝統的な作りも継承しつつ新たな可能性も見据えながらの長い旅路は、

まだ始まったばかりのような思いです。

籐家具職人の店 みうらラタン 3代目三浦祥太郎

 

籐曲げる職人 籐職人編む 籐職人組む

第3回 「購入した店舗が消えた?」~家具を買う時の店の選び方~

 

当店は籐家具専門店ですが、籐に限らず様々な家具屋さんがインターネットや実店舗に存在します。

数あるお店、家具屋さんに限らずどのようにして選べばよいのか?ちょっと考えてみようと思います。


【最近お客様からの相談】


「数年前ネットで購入した椅子を追加購入したいのだけど、店と連絡が取れない!」

「ラタンチェアを修理したいのだけど購入先に電話しても繋がらない」


といったお問い合わせ、ご相談が増えています。


つまり・・・店舗が消えているわけです。


私自身実店舗のみならずインターネットでも良く買い物をしますが

購入した先の店舗がなくなったらショックです(特に高額商品の場合は・・・)

そういった残念なことにならないようちょっと考えてみましょう。


●購入ポイントその1 【実店舗がある】

「インターネットのみの販売で実店舗がない」というお店は家具屋のみならずたくさんあります。

ホームページを閉鎖してしまえば簡単にお店をたたんでしまえるので、

店舗「アリ」、「ナシ」は買うほうからすれば信用度は格段に違ってくるのではないでしょうか?

実店舗がなくても店内風景や店員さんの写真さえあれば、

店員さんがいるように見せかけたり店舗があるかのごとく見せることは可能なので、


○営業時間

○所在地

○スッタフ紹介など

しっかり明記してあることはチェックおきましょう。

店舗の所在地を尋ねると

「事務所だけが存在しマンションの一室で商品を見るどころではない」

といったケースもあるようなので気を付けましょう。

私自身インターネットでものを買うとき(特に高額商品)は実店舗の有無をチェックします。

父から「仏壇(!?)をさがしてみてくれ」と言われインターネットで探した経験があります。

仏壇は高額商品ですのでちょっと慎重になります。

「商品」「値段」を確認し次に営業店舗を確認しました。その仏壇屋さんは実店舗があり所在地は遠く県外でしたが、

インターネットで物を買うのが普通になった今それだけで安心度は格段にあがりました。
(結局買いはしませんでしたが、買う直前までいったことは確かです)

 

●購入ポイントその2【創業何年か?】

実店舗があることよりも重要度は下がりますが創業何年?というところも気になるところです。

なぜかというと長年にわたって続けているお店は

「戦前・戦後の動乱」「バブル崩壊」「リーマンショック」などなど・・

度重なる不況や震災などの荒波を乗り越え未だに生き残っているところだからです。


創業30年以内に倒産または解散する企業は99パーセントを超えるそうです・・・

それだけ長年続けることは難しいのですね。

それに老舗(しにせ)は地域に根付いているでしょうから、

対外的にも簡単に「売れないからやーめた」というわけにはいかないでしょう。

逃げることが出来ない、本気の商売をやってきている可能性は高いと思われます。



●購入ポイントその3【アフターフォローはしてくれるのか?】

修理してくれる職人さんやメンテナンスチームがいるところは安心しますよね。

受け取った商品が搬送中に壊れたとか、使って1か月で壊れたという時も対応してくれそうですし。

また職人さんは実はおらず全て外注でやっていていかにも職人さん常駐してます!と見せかけているところもあります。

そういったところは具体的な○年保証、修理できます!など明記が難しいのでそこらへんもチェックポイントです。

修理が出来るとホームページに書いてあっても、

あれこれ言い訳をして外注に出して時間がかかったりするので、

電話して直接聞いてみるのがよいでしょう。

 

ともあれ、どんな商品・サービスであれ誠意を持って対処してくれる「お店」との出会いが

人生をより豊かにする一つの方法とじゃないでしょうか?

勿論店を運営するのは「人」です。物を買うときは買う時も買った後も人と人のコミュニケーション、

関わりを感じながら買うことがほとんどじゃないですか?

「母父にプレゼントをあげたい」「お世話になってる人にあげたい」「自慢したい」「きれいに見せたい」「一緒に楽しみたい」などなど

はたして私たちは物を売っている(買っている?)だけなのでしょうか?そうではないように最近は考えるようになりました。


そして「籐家具職人の店 みうらラタン」も「あなたの店から買いたい」


そう思われるような店づくりを心掛けていきたいものです。

何だか表題とはまったく違った締めになりましたがご容赦ください。

よいお店との出会うための参考になれば幸いです。

籐家具職人の店 みうらラタン 3代目三浦祥太郎

 

 

 

 


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